オフィス系物件の状況ですが、天神、大名、赤坂、祇園、呉服町、薬院といったビジネスエリアで、2004年頃から空室率が年々低下しています。

しかし、今後3年間で5万坪程度の賃貸面積が新規供給され加算される予定で、今後の景況次第では需給関係が悪化する懸念もあります。さらに福岡市の都市部限定で進められている「都心部機能更新型容積率特例制度」の容積率緩和の動向が注目されます。一定要件を充たせばさらに上積みの容積率緩和がなされるため、既存ビルオーナーの建て替えを後押しすることが期待されています。

すでに在京大手不動産各社は、福岡市のポテンシャルの高さと九州新幹線鹿児島ルート全線開通効果を見越して、市内で複数のオフイスビル開発計画を進めています。「九州新幹線鹿児島ルート全線開通と博多駅建て替えが完了する11年までは、オフィス賃料、空室率は堅調に推移する」と読んでいるようです。

一方、賃貸マンション、アパートなど住居系投資物件は、ワンルームタイプが供給過剰で、市内全域で空室が増えており、賃料も下落傾向が強まってきています。市内の人気エリアである中央区天神、南区大橋、早良区西新などでは、先行きの需要に対する不透明感が漂ってきました。

このような市内の投資物件の現状の市況からみると、ワンルームタイプの賃貸マンション、アパート投資は慎重さが必要となります。業者による物件供給もワンルームタイプの供給過剰を回避して、広めの30平方メートル超タイプや新婚カップル向けのコンパクトタイプへシフトしてきています。

注目すべきは、ファミリータイプで高額家賃帯の富裕層向け物件の供給が徐々に増えていることです。また単身赴任者が多いので、東京などで展開されているハイクオリティのサービスアパートメントのようなセクターも今後の展開が注目されます。

天神地区への商業集積が、幹線の渡辺通り沿いから西通りを経て大名地区、さらには今泉へと広がっていきました。このように投資集中エリアから隣接部へ伝播する動きを期待して先行投資する手法があります。

住居系エリアは市内の全域ですでに供給過剰気味なので、新たな投資エリアを模索するより、定番の人気エリア内で検討されるのが良いかと思います。

不動産のマーケットサイクルは天井→下落→底→回復という流れを描きます。最近は、不動産の金融商品化が加速しているので、このサイクル期間が短くなっています。現在、国内の不動産投資マーケットは、天井感が強く、調整段階に入ったという見方が多くなっていますが、福岡市も同じ傾向だと思います。インカムリターンだけでなく、キャピタルゲインも狙うなら投資タイミングを見極めることが重要といえるでしょう。

山田毅(やまだ つよし)氏 プロフィール
不動産鑑定士、司法書士、株式会社日本システム評価研究所代表取締役。1978年、不動産鑑定士・司法書士事務所開設を経て、96年、福岡市に株式会社日本システム評価研究所を設立。不動産鑑定評価、不動産投資コンサルタント、DCF法のソフトウエア開発を行う。地価動向や不動産投資、不動産ファンド関連に精通し、新聞・雑誌の取材を数多く受ける。全国賃貸住宅新聞社主催不動産投資セミナー講師、国交省登録機関での宅建主任者実務講習講師をはじめ、雑誌『建築ジャーナル』、『RMJ』への寄稿など幅広く活躍中。

福岡の魅力の第2は市内に九州大学、福岡大学、西南学院大学など11校の4年制大学、10校の短期大学がキャンパスを構えていることです。若年人口が多く、地域のポテンシャルは高い。単身赴任者が多い土地柄もあって、インカムゲイン(家賃収入)をねらった賃貸マンションは投資対象としても妙味があります。

第3は、2011年春、九州新幹線が全線開通することです。開通すれば、熊本市と、わずか30分、鹿児島市とも80分で結ばれ、名実ともに九州の中核拠点として一層の吸引力を備えることになります。

不動産市場を見る場合、不動産ファンドやREITなどのプロの世界(金融市場)と住宅市場を中心としたエンドの世界は分けて考える必要があります。一緒くたにして相場を見ると、見誤る可能性が高い。プロの世界では価格が高くなりすぎたこともあって、昨年から特にレジ物(賃貸マンション系)の価格が軟化(利回り上昇)し市況は冷え込んでいます。またデベロッパーによってはこれらプロと競合し素地購入をした新築分譲物件がなかなか売れず、2007年の販売件数が前年の半分以下になったところもありました。

ところが、エンドの世界、つまり実需ベースでの相場観は前年と、さほど変わっていません。分譲価格が高くなった新築の売れ行きは、こちらも不振ですが、その分、中古マンションに割安感があり、新築の落ち込みは中古市場に流れていると言えます。私どももマンションを希望する方には、中古マンションのご検討も提案しています。

福岡市の人気地区は西と南、具体的には中央区の赤坂〜大濠、天神〜平尾、早良区西新〜西区姪の浜、南区の高宮〜大橋〜筑紫野市の二日市といった地域になります。また今後再開発が進む東区方面(千早、アイランドシティー)も有望です。福岡センターはマーケットを知り尽くしたベテランぞろい。福岡の隅々まで知り尽くしたチームです。かゆいところに手が届くような、親身になった相談業務を目指し、みずほ信託銀行やみずほ銀行をはじめとするみずほフィナンシャルグループと連携、マイホーム取得や住み替えの相談、売却、相続対策などにも迅速に対応しています。


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